設立趣旨

設立趣旨書

 

1、趣旨

 

 日本インクルーシブ教育研究所は、自閉症スペクトラム(ASD)や、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などの発達障害への正しい理解や特別支援教育、インクルーシブ教育、障害特性に合った支援方法を進めるため、任意団体として活動してまいりました。

 昨今の日本は、子ども達の様々な問題行動のベースに発達障害があることに気づかず、単に「言うことを聞かない」「悪さを続ける」「考え方がおかしい」等と言って子ども達を叱責し続けている現状があります。障害特性から、耳からの情報処理がうまくいかないため相手の言っている意味が上手く理解できなかったり、文字を読もうとしても文字が動いて見えるためうまく読めなかったり、認知の仕方が平均的な人達とは違うため「変わり者、おかしい」等と言われている発達障害児・者が多くいます。そのため、自己肯定感を育むことができず、大人になっていくため成長過程において二次障害(ひきこもり、不登校、鬱等の精神疾患など)になっている場合があります。また、平均的な人達が多数派とするなら、発達障害児・者は少数派となるため、いじめに遭うことも多く、自殺する発達障害児・者も後を絶ちません。

 発達障害について詳しく知っている人々がまだ少ないことから、本来ならサポートしなければならない障害特性であったとしても、それに気づかないため叱責を繰り返す人が多いのも現状です。不登校やひきこもり、いじめ、精神疾患、自殺等の社会問題は発達障害を正しく理解してサポートすることによって解決できることがほとんどです。

 そこで、ここ広島から発達障害児・者への正しい知識の啓蒙活動をしながら、適切なサポート機関、学校、行政への働きかけ、就労や生活の場を確保できるよう、また、支援者を養成できるよう研究所としての基盤を固めていく必要があると考えています。

 法人組織として、平均的な人達(多数派)と発達障害児・者(少数派)が互いの違いを認め合い、理解し合いながら、社会全体の利益の増進に寄与していくことができるよう、行政・医療・教育関係者や関連団体との連携の下に、発達障害への普及啓蒙活動と発達障害児・者の自立に向けた支援を行うことを目的とします。そして、すべての人が同じ場で共に学び、互いの違いを認め合い、苦手なことを助け合いながら生きることを目指す『インクルーシブ教育』を進めるために、私達は「特定非営利法人 日本インクルーシブ教育研究所」を設立致します。

 ※インクルーシブ教育は文部科学省が推進している共生社会に向けた教育システムのことです。

 

2、申請に至るまでの経過

 

 日本インクルーシブ教育研究所は、現在代表である中谷美佐子(特別支援教育ジャーナリスト)が主宰し、平成24年3月に広島市において、発達障害への正しい理解と障害特性に合わせた具体的支援方法の普及活動を開始しました。

 発達障害の特性は誰もが少しずつ持っているものですが、その特性の程度によっては社会生活において相当な支障が出てきます。しかしながら、発達障害児・者は一見普通に見えるがゆえに、自分では気づきにくい、また一方では気づかれにくいため、多くの発達障害児・者達は「なぜ、こんなにも生きにくいのだろう?どうして、こんなにもうまくいかないのだろう?自分は何者なのだろうか?」と苦悩しながら生きています。あげくには、社会生活が送れなくなり、ひきこもっている人達も多くいるのが現状です。

 社会全体で発達障害を正しく理解し、発達障害児・者が適切なサポートを受けながら生活することができれば、人としての社会生活を十分送れるようになることを、メールやメルマガ、ブログ等で情報発信してきました。また、定期的にセミナーや講座を開催し伝え続けてきました。

 そして、この活動が徐々に理解され、広島を中心に(県外からも)当研究所に賛同して下さる方々が増えていき、平成25年5月には会員登録者が350名を超え、日本インクルーシブ教育研究所へ期待する人々が増えてきていることを確信しました。法人組織として安定した活動を実施していき、発達障害児・者の生活を継続的に支援していけるよう、更なる発展をしていきたいと考えます。

 

平成25年6月10日

特定非営利活動法人 日本インクルーシブ教育研究所

設立代表者